会議中に「必要なデータがすぐに出せない」「表が見づらくて説明に時間がかかる」といった経験はありませんか? こういうときってとても焦りますよね。
Excelには、会議の進行をスムーズにし、聞き手にわかりやすく伝えるための便利な機能がたくさんあります。
今回は、会議で役立つExcelテクニック を厳選してご紹介します。
- 会議中に資料を見やすくするExcelテクニック
- 必要なデータをすぐに取り出せるグラフ・スライサーの活用法
- 議論をスムーズに進めるためのコメント・メモ活用術
セルにフォーカスして強調表示
Powerpointと比べて、Excelの画面は小さく情報量も多いので、「今どこの説明をしているの?」と言う状況になりやすいです。
そのようなときは、セルに色をつけて強調表示することで、どこの説明をしているか一目瞭然になります。
セルにフォーカス(新機能)
2024年秋頃に追加された新機能で、「セルにフォーカス」をクリックするだけで、フォーカスしているセルを強調することができます。
以下のように行・列の書式が目立つようになるため、選択したセルの場所を示すのに役立ちます。

やり方も非常に簡単で、「表示」タブより、「セルにフォーカス」を選択すると、セルを目立たせることができます。
もしない人は?(VBA)
「セルにフォーカス」は比較的新しい機能なので、お使いのバージョンでは使用できない可能性もあります。
その場合は、VBAを使用することでクリックしたセルを目立たせることができます。
こちらの記事で紹介していますので、チェックしてみてください。
目次の一覧シートを作っておく
シート数が多いファイルでは、会議中にシートを探すのも一苦労ですよね。
「目次シート」を作成してリンクを貼っておけば、クリックひとつで目的のシートへジャンプできます。資料全体のナビゲーションがスムーズに進みますので、事前に用意しておくと便利です。
以下のように、特定のシートに各シートへのリンクを反映しておきます。
ここから「北海道」のリンクを押すと・・・

「北海道」シートを表示することができます!
大量にシートがある場合などは、シートが探しやすくなり、プレゼン時ももたつきません。

こちらの記事で目次シートの作り方に触れています。
シート名一覧を表示する方法、シートリンクを作成する方法など便利技を多数記載しているので、よかったらチェックしてみてください。
ウインドウ枠の固定で、項目迷子にならない
大量のデータや表を使って説明するとき、下や右にスクロールしていくと、何の項目か分からなくなりますよね。「この項目何だっけ?」と戻って確認したりしていると、会議がもたついてしまって焦りますよね。
そのような問題は、「ウインドウ枠の固定」機能を使用することで解決できます。
表をスクロールしても、見出し行が常に表示されている状態にできるので、項目迷子になりません。
やり方 → 固定したいセルを選択し、「表示」タブより、「ウインドウ枠の固定」を選択

これで、選択したセル部分を固定することができます。
見出しの行・列が表示されたままスクロールできるため、何の項目か一目瞭然となります。

テーブル化+スライサーで即フィルタリング
会議中に「この資料、部門別に絞れますか?」「今年度だけ見せてください」と急に求められることはありませんか。そんなときに役立つのが「テーブル化」と「スライサー」です。
通常のフィルターであれば、
・フィルターを選択→「すべて選択」のチェックを外す→見たい項目のチェックを入れる
という流れになります。
ただ会議中だと焦ってチェックを入れ間違ったり、操作に時間がかかってしまったりしてしまいますよね。
スライサーを使うことで、ボタンを選択するだけでフィルターをかけることができます。より直感的な操作ができて、会議もスムーズに進めることができます。
■テーブル化~スライサー作成までの流れ
1.テーブル化したい範囲を選択し、「データ」タブ→「テーブルまたは範囲から」を選択
(ショートカットキーであれば、「Ctrl + T」で作成可能)

2.「先頭行をテーブルの見出しとして使用する」にチェックを入れ、「OK」を選択

これでテーブル形式のデータになり、標準でフィルタ機能が使えるようになります。

次に、こちらのテーブルにスライサーを追加していきます。
3.テーブルを選択し、「テーブルデザイン」タブ→「スライサーの挿入」を選択

4.フィルタしたい項目にチェックを入れ、「OK」を選択

これで、スライサーを作ることができました。
以下のような、ボタン形式のフィルタが作成されます。

例えばスライサーより、部門→「営業部」、年度→「2024」を選択すると、以下のように対象のデータだけ抽出することができます。

会議中は、作業工程をどれだけ減らすか、どれだけ分かりやすくするか、がポイントとなります。
会議の突発的なリクエストにもスマートに対応できるように、スライサー機能を活用してみてください。
- スライサーで複数項目を選択するときは、「Ctrl」キーを押しながら項目を選択します。
ピボットグラフでデータを見える化
会議中に「この数字、グラフで比較できますか?」と求められたとき、表をいちから作り直すのは時間のロスです。そんな場面で力を発揮するのが「ピボットグラフ」。元データを選んで数回クリックするだけで、瞬時にグラフ化できます。
■ピボットグラフ作成までの流れ
1.グラフ化したい範囲を選択し、「挿入」タブ→「ピボットグラフ」を選択

2.「新規ワークシート」にチェックを入れ、「OK」を選択
もしくは「既存のワークシート」にチェック→グラフを表示する「場所」を指定し、「OK」を選択
※「新規ワークシート」の場合

※「既存のワークシート」の場合

今回は説明を分かりやすくするため、「既存のワークシート」で作成します。
すると、以下のような画面が表示されます。
ここから、年度別に部門ごとの売上を確認できるグラフを作っていきます。

ピボットテーブルのフィールドを、それぞれ
・年度 → フィルター
・部門 → 軸(分類項目)
・値 → 売上(万円)
と、ドラッグ&ドロップします。
すると、以下のようにグラフが表示されます。

ここから「2024年」に絞ったグラフを見たいとします。
その場合、「年度」フィルターより、「2024」を選択して「OK」を選択します。

これで、「2024年」に絞ったグラフを作成することができました。

ピボットグラフであれば、項目の入れ替えも簡単です。
例えば、部門ごとの年度軸でグラフを見たい場合は、フィルターに「部門」、軸(分類項目)に「年度」とすれば可能です。

通常のグラフと違い、項目選択やフィルターが柔軟に対応できるので、会議などで急にリクエストされた場合は非常に便利な機能になります。
会議などの場では、グラフなど視覚的に理解しやすいものを用意することで、会議自体をスムーズに進行することができます。ぜひ活用してみてください。
会議で出た内容はコメントに残しておく
会議中に、「ここの進捗が悪いのはなぜか、分析しておいてくれ」、「次回からこの比較/データを追加してくれないか?」など、宿題が出ることもよくあることだと思います。
メモをとってもいいと思いますが、後で見返したときに、「これ、どこのことだっけ?」、「何をすればよかったっけ?」となったことありませんか?(恥ずかしながら、私はあります)
そこで、会議中に出た宿題は、エクセルのコメント機能を使って残しておくことをおすすめします。
コメント機能とは?使い方も解説
エクセルのコメント機能とは、セルに補足説明やメモを書き込んで共有・確認できる機能です。

コメントを入力するには、「会話を始める」と表示されている部分にコメントを入力し、「返信を投稿する」ボタンを押すだけでOKです。
ちなみにコメントを編集することも可能で、右上にあるペンマークを押すことでコメント編集をすることが可能になります。

また、アカウント名が表示されるので、共同作業にも便利です。
いつ、だれがコメント記入・返信したかが分かるので、手分けして作業する場合の進捗管理にも使える機能になります。

コメント機能は、いちいちそのセルを見に行かなくても、「どこに」・「何のコメント」があるか一覧で表示することができます。
一覧化する方法 → 「校閲」タブより、「コメントの表示」を選択
これだけで、そのシートにあるコメントを全て一覧化することが可能です。

コメント機能を会議で使うメリット
会議中にコメント機能を使うメリットは2点あると思います。
1点目は、「あとで見返したときに、どの部分の話でできた宿題か確認しやすい」ことです。
会議中は色々な議題に対して話が進んでいくので、「どの議題の、どの部分の宿題だったか」が分からなくなってきます。
その都度コメントを残しておけば、どの部分の話であったか思い出しやすいので、後々宿題への取り組みが楽になります。
メモ帳などでメモを取るのもいいとは思いますが、別で保存したりしなければいけない管理の煩雑さもあるので、個人的にはExcel1本でやってしまったほうが結果的に良いと思っています。
2点目は、「画面をシェアすることで、認識相違を防ぎやすい」からです。
個人的には、こっちのほうが重要だと思っています。
会議って、当然参加者の発言が活発に行われるので、人によっては解釈が違ったり、発言が聞こえていなかったりしますよね。
そうなると、後で宿題を提出したとき、「そういうことじゃなかったよ」など認識相違があるがゆえにやり直しさせられたり、結構あるんじゃないかと思っています。そうなると、労力も時間も無駄にしてしまって非効率ですよね。
だから、画面を共有しているときにコメントを入力しておくことは、内容を視認できるので重要だと思っています。
認識相違があれば、「こういうことですよね?」とコメントで確認したとき、「いや、そうではない」と会議中に確認することができるので、後々の宿題やり直しもグッと減らすことができます。
会議での認識相違、よくあるんですよね。私も過去、認識相違によって無駄な労力をかけてしまったことが何度もあります。
そうならないためにも、共有認識に活用できる「コメント機能」、ぜひ活用してみてください。
まとめ:Excel機能を使いこなして、会議をスムーズに進めよう
会議で説明するときは、 「迷わせない」「すぐ答える」「わかりやすく見せる」 がポイントです。
特にExcelのように、画面が小さく情報量が多くなるときは事前準備が重要です。
今回紹介した機能を使いこなせば、資料の見栄えも会議進行も格段にスマートになります。
ぜひ次回の会議で試してみてください!
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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