Excelで複数人とファイルを共有・編集していると、

あれ?このセル、数式だったはずなのに値になっている。。。
と気づくことありませんでしょうか。
実際、私もこれで冷や汗書いたことが何回もあります(汗
意図せず誰かが数式を上書きしたり、コピーペーストで数式が消されたり。。。
共同作業では、小さなミスが大きな集計ミスにつながることも。
この記事では、こうしたトラブルを防ぐための2つの対策と、万が一ミスが発生したときにもすぐに気づけるISFORMULA関数の活用方法をご紹介します。
ありがちなミス:数式が値に変わっている原因とは?
Excelでの共同作業中、こんなトラブルが発生したことないでしょうか。
・数式の入ったセルを値貼り付けしてしまった
・ファイル分割/統合時に関数を含むセルが上書きされる
・誰かが気づかず、手入力で上書きしてしまった
・クラウド上で同時編集中に競合が発生し、上書きされてしまった
見た目では数式か値か判断できないため、気づきにくく、後から検証しづらいのがやっかいです。
対策①:重要な数式セルを「保護」する
数式を守る基本的な方法が、「シートの保護」です。
ここでは、数式セルのみ保護をかけ、変更できないようにする設定方法を紹介します。
・シート全体を選択し、右クリック→「セルの書式設定」を選択
↓
・「ロック」のチェックを外し、「OK」を選択

・シート全体を選択し、「Ctrl+G」を押す
↓
・「数式」にチェックを入れ、「OK」を選択
↓
・数式セルが選択されるので、右クリック→「セルの書式設定」より、「ロック」にチェックを入れ、「OK」を選択


・「校閲」タブより「シートの保護をクリック」を選択
↓
・「ロックされたセル範囲の選択」のチェックを外し、「OK」を選択
※この画面でパスワードも設定できます(任意)

こうすると、数式の入ったセルだけが編集できないようになります。
※注意※セルを保護する前に、「ロック対象のセル」を正しく設定しておくことが大切です。
対策②:ISFORMULA関数でチェックする
どれだけ注意しても、共同編集ではヒューマンエラーが起こりがちです。
そこで活躍するのが、ISFORMULA関数です。
これは、セルに数式が入っているかどうかを判定できる関数です。
うっかり数式が値になってしまった場合でも、すぐに検出できる便利な関数ですね。
ISFORMULA関数の使い方
基本構文:
_=ISFORMULA(参照セル)
例えば、セルA1に入力されているものが数式かどうかを判定する場合、
=ISFORMULA(A1)
と入力します。
結果としては、
・A1セルが数式 → 「TRUE」を返す
・A1セルが値や文字列 → 「FALSE」を返す
ということになります。
この関数を使えば、どのセルが数式で、どのセルが値なのかが一目で分かります。
実践!ISFORMULA関数を使ったチェック方法
ISFORMULA関数でのチェック方法は、入力規則や書式などいくつかのパターンで設定できます。
今回は条件付き書式と入力規則のパターンを記載しました!
個人的には後からチェックしやすいよう、書式で設定することが多いのですが、状況に合わせて使い分けしてみてください!
①条件付き書式で色分け
書式で数式か、値かを判別する方法です。
・数式を選択し、「ホーム」タブから「条件付き書式」を選択し、「新しいルール」を選択

・「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択
↓
・入力欄に、以下の数式を入力し、「書式」を選択
=NOT(ISFORMULA(D2))

・任意の背景色を設定(今回は黄色塗りつぶし)し、「OK」を選択
↓
・「OK」を選択
↓
・「OK」を選択

ちゃんと反映されたかどうか確認してみましょう。
さきほど設定したD2セルを、試しに値で入力してみると・・・

無事に黄色セルに変わりました!
こうすると一目瞭然で確認できますね!
他の数式にも適用する場合、[シートの保護]部分で紹介した数式選択(Ctrl+G→数式にチェック)でもOKですし、以下のように範囲を選択して反映させることも可能です。

②入力規則でエラーメッセージ
値で入力しようとしたとき、エラーメッセージを返す入力規則を設定する方法です。
・対象のセルを選択し、「データ」タブより、「データの入力規則」を選択

・「入力値の種類」を、「ユーザー設定」に選択
↓
・「数式」に、以下数式を入力し、「OK」を選択
=ISFORMULA(D2)

ちゃんと反映されたかどうか確認してみましょう。
さきほど設定したD2セルを、試しに値で入力してみると・・・

「入力規則に合ってないですよ~」というエラーメッセージが表示されました!
こうすると入力しているときに分かるので、入力ミスにいち早く気づくことができます!
見た目では値か数式か分からないExcelでも、ISFORMULA関数を使えば裏側の仕組み(中身)を自動チェックできるようになります。
まとめ:共同作業こそ、みえないミスの防止がカギ
Excelでの共同作業はとても便利ですが、意図しないミスが発生しがちです。
とくに「数式が値に変わっていた」というトラブルは、気づかないと後々大きな影響を及ぼします。
・シート保護で「数式を壊させない」!
・ISFORMULA関数で「数式が壊れたことにすぐ気づける」!
この2ステップで、数式の消失リスクを最小限に抑えられます。
チームや部門でExcelを共有している方は、ぜひこの方法を活用して、見えないミスゼロのファイル運用を目指しましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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